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【産業動向】PSMC黄会長が死去 生前最後のインタビューでTSMC創業者からの助言明かす
2026-08-03 11:29:07
台湾のファウンドリPSMC(力積電)の黄崇仁・董事長(会長)が2026年7月31日、心不全で台北の自宅で亡くなった。76歳だった。台湾の大手紙『経済日報』は8月3日付で、黄氏の生前最後となったインタビューを掲載。今後の事業方針について「堅実な経営(安定経営)」を基本方針とし、盲目的な投資や生産能力の拡大を避け、既存のプロセス技術と設備を最大限活用して高付加価値製品を開発し、景気循環の波に耐えうる強靭な企業体質を構築する方針を示したと報じた。


PSMCは7月31日、関連規定に基づき副董事長(副会長)の謝再居氏が董事長職を代行すると発表した。また、生産・販売業務は従来の計画に沿って着実に推進するとし、全社員が創業者である黄崇仁博士の理念を受け継ぎ、台湾ハイテク産業の発展に向けた取り組みを継続していくとした。

一方、経済日報は、生前最後となった7月中旬のインタビューで黄氏が、市場で注目を集めるDRAM価格の回復やAI(人工知能)ブーム、先進封止(パッケージ)需要についてよりも、「堅実」という言葉を繰り返し強調したことが印象的だったと記した。

同紙によると、インタビューで黄氏は、「AIは決してバブルではなく、産業構造を根本から変革する技術だ」と評価。ただ一方で、「現在市場がより深く考えるべきことは、AIに投じた莫大な資本を最終的に回収できるかどうか(利益を生み出せるか)だ」と警鐘を鳴らした。

さらに黄氏は、台湾TSMC(台積電)の創業者である張忠謀氏から、「ファウンドリ企業が将来への投資を継続するためには、40%を超える売上総利益率を維持する必要がある」と助言を受けていたことを明かした。黄氏は、張氏の助言は経営判断の指針になっているとし、PSMCが近年進めてきた事業転換は、単に工場を売却したのではなく、競争が激化する事業から、より長期的な成長が期待できる分野へ資本を再配分することを目的にしたものだと述べた。

今後のAI競争について黄氏は、先進プロセスだけにとどまらず、先進封止、シリコンフォトニクス(SiPh)、システム統合、さらには各種の特殊用途分野へと広がっていくとの見方を示した。現在世界中で議論されているガラス基板やシリコンフォトニクス等の新技術については、「本格的な量産にはまだ時間を要し、技術的な課題も完全には解決されていない。だからこそ、今後の半導体市場には、多様な技術を備えた企業にとって多くのチャンスが残されている」との認識を示した。

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